
京都を舞台とした、四編の物語。薄暗く怪しい気配に満ちた奇譚集です。
物語のあちこちで登場する「ケモノ」とは、一体何なのか。骨董屋は一体何者なのか―
読み進むうち、四編が細い糸でつながっているような不思議な感覚に陥ります。京都の裏路地のように巧妙に練られた展開や、ほの暗い物語をより一層に引き立てる美しい筆致。
すべての物語の最後には、森見氏が仕掛けた罠が。
きっと息を呑むこと間違いないでしょう。
vol.31「 きつねのはなし 」森見 登美彦 を読む

幼い頃の、ほんの好奇心が、自分の運命を狂わせてしまうこと。
現実でも結構あることですね。
「もしもあの時ああしていなければ」
「もしもあの人に出会っていなければ」
人の生き方って、本当に出会うものに左右されます。
主人公・夜木の後悔の種は、こっくりさんなんてしなければよかった、ということ。
そして、永遠の命なんてもらわなきゃよかった、ということ。
vol.30「 天帝妖狐 」乙一 を読む

伝説の遊女の名を継ぐ少女白亜と、同じく美貌のスケキヨは、姉弟として育てられ、他人への不信感や島に対する虚無感のなかで、お互いだけを頼りに成長してゆく。運命が二人を引き裂き、その後大人になった白亜の目線から、物語が語られる。スケキヨを忘れることのできない白亜。裏華町を仕切る男、遊郭の上得意、遊女仲間、すべての人物の周辺にスケキヨの影が漂います。やがて、スケキヨと思われる人物の暗い噂を耳にし―
vol.27「 魚神 」千早 茜 を読む