
発行日:2009年7月13日 月曜日 |
江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
風に吹かれただけで熱を出すほど病弱な「若だんな」こと薬種問屋・長崎屋の一人息子一太郎。甘やかされた坊ちゃんかと思えば、これが心の優しい利発な男の子。体が弱い余りに両親も手代達も過保護に扱うけど、それに甘えず自分も役に立ちたいと頑張って奮闘する姿が健気です!
体は弱いけど、頭の回転の良さ、心根の優しさ、素直さが人間のみならず、人ならぬ物「妖(あやかし)」達の心も動かしてしまいます。頼りなさそうでいて芯の強い若だんなと、そんな若だんなに子供の時から仕え守ってきた仁吉と佐助という手代(この二人も実は妖!)二人、その他大勢の妖達が活躍して江戸の町に起こった不可解な事件を解決していきます。
若だんなの事を心配するあまりに過剰なまでの甘やかしっぷりで世話を焼く二人の手代と、「一人前の男なんだから!」と抵抗する若だんなのやりとりは、思わず微笑んでしまうし、明るくふるまいながらも時折自分が病弱で役立たずなのでは…と落ち込んでしまう若だんなには胸がきゅんとなってしまいます。
DESIGN STUDIO TAKANO
高野えり子
イラストレーター・ライター。セブンイレブン、JR東海、京王、朝日新聞社、NHK、日本プロ野球機構他、出版社やアパレル、デザイン会社等で、様々なイラストやデザイン、ライティング等数多くの作品を手がける。
designstudio_takano_space@yahoo.co.jp