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vol.18「津軽百年食堂」 森沢 明夫

発行日:2009年11月9日 月曜日 |

ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈むように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる憶いをつのらせていく。一方、明治時代の津軽でひっそりと育まれた、賢治とトヨの清らかな恋は、いつしか遠い未来に向けた無垢なる「憶い」へと昇華されていき…。桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、永々と受け継がれていく“心”が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語。
vol.18「津軽百年食堂」 森沢 明夫の書評イラスト全体
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イラスト:ゆずりは さとし


vol.18「津軽百年食堂」 森沢 明夫の書評イラスト1

「あったかい、嬉しい」

旅先で、その土地特有の食べものに出会う。
そっと箸をつけると、おもわず「あったかい、嬉しい」そんな言葉がもれてしまう、『津軽百年食堂』は、そんな本です。



vol.18「津軽百年食堂」 森沢 明夫の書評イラスト2

百年続く、津軽百年食堂

私たちは作家に導かれて、現代と明治時代の間を、東京と津軽・弘前の間を行き来しながら、言の葉によってシンクロしていく、二つの恋、夢、そして愛を見守っていくことになります。

時には、自分の身体や性格に劣等感を持つ主人公の背中を桜の樹になって一押し……
時には、桜の花びらになって、夢と愛の間で揺れ動く、乙女の心の扉をノック……
時には、百年続く食堂となって、親父の背中を眺め、過去と未来に思いをはせる主人公を強く優しく包み込みます。



vol.18「津軽百年食堂」 森沢 明夫の書評イラスト3

時空をこえて・・・

読み進みながら思いました。
主人公達を見守る目としての自分をこんなに感じるのは何故でしょうか。
それは取材が大好きで、放っておくと取材から帰ってこないという作者が、津軽の現場に行き、見つめてきた目を使って私たちも彼らを見ているからに違いありません。
最後のページを閉じて、作者と一緒に時空を越えた取材に出かけていたことに気づきました。




紹介イラストレーター

STUDIO・YUZURIHA
ゆずりは さとし
イラストレーター、イラストライターでイラストバイカー。広告、Web、出版界でのイラスト制作を生業としつつ、自転車旅で出会った人や風景をモチーフに作品を描く。イラスト紀行、HOWTOなどイラスト+ライティングのお仕事も手がける。
http://www.yuzuriha.com/


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