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vol.20「少女七竈と七人の可愛そうな大人 」 桜庭 一樹

発行日:2009年11月23日 月曜日 |

わたし、川村七竃十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。—男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。半身を奪われるような別れ、あきらめていた人への想い、痛みをやさしさが包み込む。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の気鋭、桜庭一樹が描き出す、最高の恋愛小説。
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イラスト:小倉マユコ


vol.20「少女七竈と七人の可愛そうな大人 」 桜庭 一樹の書評イラスト1

様々な気持ちがこもった物語

哀しみと、可笑しみ、そして希望。
この小説は相反するような、それらの気持ちがぎゅっとつまった物語です。
一気に読み進み、そして何度でも読み返したくなる逸品です。



vol.20「少女七竈と七人の可愛そうな大人 」 桜庭 一樹の書評イラスト2

七竈と雪風

少女七竈の美しく凛とした、そしてどこか風変わりで古風なキャラクターがとても魅力的。七竈に限らず、親友の少年雪風、七竈の母親、祖父、後輩、飼い犬など、関わるすべての人物たちが、哀しみと可笑しみの両方で描かれていて、とても生き生きとしています。

そして、物語の軸をなす少女七竈と雪風が大人になってゆく過程に、引き込まれます。あらがえない運命に捕えられながら、それを受け入れていく二人の姿は、切なく、美しく、そしてなぜだかとても希望を感じます。

どこか古風で劇画的な文体や、要所で登場する七竈の実の赤と、旭川の雪の白のコントラストが、物語に花を添えています。そして、ラストシーンはあまりにもせつなく、そして、不思議なことに、とても明るい春を感じるような読後感です。




紹介イラストレーター

小倉マユコ
イラストレーター

2009年よりフリーのイラストレーターとして活動を開始。抒情性あるイラストをこころがけています。2009年二科展デザイン部門入選。2010年1月に初の企画展を予定。
URL: http://www2s.biglobe.ne.jp/~boris/mo/m_ogura.html
Email: m-ogura@kmh.biglobe.ne.jp


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