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vol.30「 天帝妖狐 」乙一

発行日:2010年2月1日 月曜日 |

とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。
vol.30「 天帝妖狐 」乙一の書評イラスト全体
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イラスト:小牧


vol.30「 天帝妖狐 」乙一の書評イラスト1

こっくりさん、こっくりさん…

幼い頃の、ほんの好奇心が、自分の運命を狂わせてしまうこと。
現実でも結構あることですね。
「もしもあの時ああしていなければ」
「もしもあの人に出会っていなければ」
人の生き方って、本当に出会うものに左右されます。
主人公・夜木の後悔の種は、こっくりさんなんてしなければよかった、ということ。
そして、永遠の命なんてもらわなきゃよかった、ということ。



vol.30「 天帝妖狐 」乙一の書評イラスト2

上手く生きられない人へ——痛ましいほどの感受性

乙一作品の登場人物に共通するのが、その不器用さ。
他人の目ばかりを気にしてしまうとか、思ったことを相手に上手に伝えられない、表現できない、とか。
そんな世渡り下手な人が多く登場しますが、この作品の夜木と杏子はまさにその代表。
下手でもいいから、頑張って生きてる。
臆病だけど、健気な彼らだから、幸せになって欲しいと心から思います。



vol.30「 天帝妖狐 」乙一の書評イラスト3

あなたのこと、ずっと忘れない

静かに穏やかに、人の中で、ひっそりと暮らしていきたいと願う夜木。
素性がどうであれ、夜木の人柄を受け止め、彼の居場所を作ろうとした杏子。
そして2人は……。
……ラストシーンだけを拾い読みしても目頭が熱くなります…。
私はこの結末が好きです。




紹介イラストレーター

小牧
書店勤めのイラストレーター。本に囲まれているのが当たり前。可愛いほのぼのが好きという反面、陰鬱綺麗なのも好きだったりする。
『キラリと輝くおしゃれな年賀状2010』(インプレスジャパン)、児童英検の問題用イラスト担当等。
http://tcarbo.web.fc2.com/


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