
発行日:2010年2月1日 月曜日 |
とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。
幼い頃の、ほんの好奇心が、自分の運命を狂わせてしまうこと。
現実でも結構あることですね。
「もしもあの時ああしていなければ」
「もしもあの人に出会っていなければ」
人の生き方って、本当に出会うものに左右されます。
主人公・夜木の後悔の種は、こっくりさんなんてしなければよかった、ということ。
そして、永遠の命なんてもらわなきゃよかった、ということ。
乙一作品の登場人物に共通するのが、その不器用さ。
他人の目ばかりを気にしてしまうとか、思ったことを相手に上手に伝えられない、表現できない、とか。
そんな世渡り下手な人が多く登場しますが、この作品の夜木と杏子はまさにその代表。
下手でもいいから、頑張って生きてる。
臆病だけど、健気な彼らだから、幸せになって欲しいと心から思います。
静かに穏やかに、人の中で、ひっそりと暮らしていきたいと願う夜木。
素性がどうであれ、夜木の人柄を受け止め、彼の居場所を作ろうとした杏子。
そして2人は……。
……ラストシーンだけを拾い読みしても目頭が熱くなります…。
私はこの結末が好きです。
小牧
書店勤めのイラストレーター。本に囲まれているのが当たり前。可愛いほのぼのが好きという反面、陰鬱綺麗なのも好きだったりする。
『キラリと輝くおしゃれな年賀状2010』(インプレスジャパン)等。
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