
発行日:2010年5月17日 月曜日 |
ビスキット、チヨコレイト、アイスクリン、シユウクリーム、スイートポテト。南蛮菓子から西洋菓子へと呼び名が変わり、新たな品々が数多登場。そんなスイーツ文明開化の東京で、孤児として生まれ育った真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。そこには今日もまた、甘い菓子目当てに若い元幕臣の警官達がやってくる。菓子作りの修業に精を出したい真次郎に、厄介事が次々と…。著者の魅力全開!明治の築地居留地で、西洋菓子屋の若主人と元幕臣の警官達「若様組」が繰り広げる「スイーツ文明開化」騒動記。
この本は題名の通り西洋菓子が出てくる物語で、主人公は菓子職人。
でもただのスイーツ本ではない。舞台は明治!当然のことながらその当時の世相がくっついてきます。ご維新によって若様達は平の巡査になり内職をしながら暮らしているし、貿易によってお金持ちになったもの、それを喜ばしく思わない者もいる、旧松平家の嫡男探し、流行病などなど・・・。
ゴタゴタした世の中のはずなのに主人公の皆川真次郎がのんきな性格なせいか物語全体におっとりした空気が流れています。若様組と自称する元若様で構成された巡査達のたまり場が信次郎の営む西洋菓子屋「風琴屋」であるかのように、この本自体が読み手の休息所のような感覚を与えます。
主人公は外国人街育ちなのでいつも洋装、さらにパティシエだからか浮世離れした感があり、のんびりというかマイペース。しかし、実は銃の腕がたつので若様組の中でも強い園山も頭が上がらないというピリっとしたところも。
そして料理に関しては熱い!パーティー用に料理をするシーンでは真次郎がすごくかっこよく見える。料理ってこんなにかっこいいものなのかと思いました。
スープにケーキにゼリーにワッフルにエクレア・・・読んでいるととにかくお腹が空く!明治の世にこんなにスイーツがあったなんて!この物語は謎解きあり、史学あり、菓子ありと色々おいしい。
文明開化とスイーツの世界を楽しみたい方は是非読んでみてください!