
発行日:2010年7月26日 月曜日 |
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々—。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。
異なる時間、異なる視点で「陣内」という男を描く連作短編集です。
本作は五つの短編で出来ていて、一見すると一つ一つ独立した物語で特に繋がりがあるようには感じません。
ですが、最後まで読んだとき、物語は意外なところで繋がっていたという事が分かります。何気なく書かれていた部分が、後々に重要な伏線だったと気づかされたときには思わずため息が出ました。
全体的には肩の力が良い感じに抜けているというか、軽快なノリで書かれているので非常に読みやすいと思います。
初めて伊坂作品を読まれる方にもおススメです。
この陣内という人、とにかく、掴めません。正義感は強いらしく曲がった事は嫌い。しかしその性格が災いし物事を面倒な方向に巻き込むこともしばしば。なのに本人はあくまでも堂々としているから余計にタチが悪い。
そして自分の発言に責任をまったくもって持ちません。
「調査官は、担当する少年が、『他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴』だと思って、向かい合わないと駄目なんだよ」と、素晴らしい事を言った直後に「少年なんてさ、みんなやることは一緒。ワンパターンなんだよ」と、言い放つ。
彼はカッコいいなぁと思わされる部分も多々あります。でもそれと同じくらい「何なんだこの人…」と苦笑してしまいます。
HN:つくね
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